2006年12月
仮説: ロングテール戦略が格差社会を生む
の検証の三回目 (全七回を予定)。
機会均等
「機会均等」には三つの種類がある。
- 金持ちになるための機会
- 貧乏にならないための機会
- 貧困から脱出するための機会
一番目の「金持ちになるための機会」とは、 例えば「アメリカン ドリーム」のようなものである。 ほとんど全ての人は夢想することはあっても本気で目指そうとは思わない。 本気で目指さないのだから達成できなくても、それは当然だろう。 ほとんどの人が、そういった夢を達成できないからといって、 機会が均等でないことの理由にはならない。
二番目の「貧乏にならないための機会」とは、 「安定した生活」のようなものである。 機会なんかなくても、人並みの努力していれば人並みの生活を維持できると、 かつては信じられていた。 昨今の競争社会は、生活水準が悪くなったと感じる人が増えつつあることから、 努力しても報われない社会だと言う人がいる。 果たしてそうだろうか?
むしろ、「人並みの努力」で中流が維持できた時代が特異だったのではないか? 資本の本質は自己増殖である。 富は富を呼び、お金のないところからはどんどんお金が逃げていく。 もちろん富の再配分によって富の集中を緩和するにしても、 鎖国でもしない限りお金の流れは止められない。 ではなぜ '60年代から '80年代にかけて、 多くの人が中流でいられた (一億総中流) かといえば、 社会全体が成長したから。 何年も2桁成長が続く高度成長期だったからこその現象だろう。
昔、「ドラえもん」の漫画に、「ボーナス1024倍」という話があった。 お金を銀行に預けておくと 10年で約二倍になるから、 100年預けておくと 1024倍になる。 ボーナスを銀行に預けてタイムマシンで 100年後におろしに行く、 という話である。 当時はなんとも思わなかったが、 今から考えると 10年で預金が倍になるなんてのは異常である。 もちろん、実質成長率はそこまで高くないにしても、 今から考えると常軌を逸脱した成長率だった。 しかも 100年後に同じ銀行が存続していることになんの疑いも持たなかった、 というのも今から思えばかなり新鮮な発想である。
高度成長期のような例外的な時代でなければ、 「貧乏にならない」ことは容易ではない。 「人並みの努力」だけでなく、 「機会」を見つけ、それを生かすことが必要である。
三番目の「貧困から脱出するための機会」とは、 「健康で文化的な最低限度の生活」のようなものである。 NHK スペシャル 「ワーキングプア II」の 副題は「努力すれば抜け出せますか」であったが、 「最低限度の生活」は憲法で保証されている権利なのであるから、 努力して獲得すべき性質のものではない。 必要なのは機会均等ではなく、無条件の保証であろう。
というわけで、一番重要なのは二番目の機会均等、 「貧乏にならないための機会」の平等である。 「貧乏にならないため」というのが後ろ向きなので、 多くの人がその「機会」をあまり重視していないようだ。 世の中には、この「機会」はいくらでも転がっているのに 多くの人がその機会をつかもうとしない。 だから資本の論理に立ち向かうことなしに、 ずるずると押し流されてしまっている。
しかも、多くの人はその現実を直視したがらない。 自分達より下に「ワーキングプア」がいるから自分達は「下層」じゃないと 思い込みたがる。 そういう人たちに限って、 「ワーキングプアは自己責任だ」などという。 「自己責任」の元、ずるずると貧乏に落ちていっているのは自分達自身だというのに...
政府の『国民生活に関する世論調査』の中で 「生活程度」についての意識調査の結果を見る限り、 バブル崩壊後も日本国民から一億総中流の意識は抜けていない。 「生活の程度は、世間一般から見て、どの程度と思うか?」という 質問に対する回答で、 「下」と答えた者の割合は、 1960年代から2004年に至るすべての年の調査において、1割以下である。Wikipedia「一億総中流」から引用
資本の論理に立ち向かう手段はただ一つ、 「資産を築く」ことである。 ここで言う資産とは、何も金融資産だけに限らない。 「将来の収入をもたらすもの」全てが資産であり、 「将来の支出をもたらすもの」全てが負債である。 そして、 資産の要件は「希少性」と「換金性/収益性」である。 最も効率的な資産である「能力」を例にとれば、 「普通の人にはできないことができる」というのが希少性であり、 「その能力に価値を感じてくれる人を見つける」ことができれば換金できる。
「人並みの能力」に希少性はない。 いつでも代わりの人を見つけられるからだ。 代替可能な人材 (replaceable resource) に支払われる賃金は、 下がることはあっても、上がることは稀である。 ベースアップなどというものは高度成長期のみに許された特異現象である。
では、他人より抜きん出た能力を身につける機会とは何か?
「20:80 の法則」 (パレートの法則) というものがある。 「売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している」などの経験則が知られるが、 じゃ、その 2割の従業員だけでドリームチームを作れば、 すごい会社が作れるかというと残念ながらそうは問屋がおろさない。 「2割の従業員」がふたたび「20:80」に分かれてしまうのである。 精鋭チームを作ったつもりが、 そのチームの中の多数 (8割) は売上にあまり貢献しなくなってしまう。 逆に、ダメな従業員だけを集めたダメダメチームを作っても、 その中の 2割ほどは頭角を現し、チームを率いるようになる。
つまり能力を向上させる最良の方法は、 自分が上位 20% に入ることを目指せるような集団に属することである。 まさに「寧ろ鶏口となるも牛後となるなかれ」。 上位20% に入ることがどうしても無理なら、 それはその集団が向いていないということである。 牛後に甘んじるよりは思い切って飛び出すべきだろう。
機会均等を押し進めようとするなら、
- 「再チャレンジ支援」より 「ニート部門」
- 「一斉授業」より「習熟度別指導」
- 「普通科高校」より「専門高校」
- 「男女共学」より「女子校」
- 大企業で中間管理職を目指すより、ベンチャーで経営幹部を目指せ
- 大企業の研究所で主管研究員を目指すより、ベンチャーで CTO を目指せ
- 雇われプログラマで人月を換金するより、 世界を変えるオープン ソース ソフトウェアを目指せ
「貧乏にならないための機会」はいたるところで見つけられる。 見つけようとする意志さえあれば。
La Fonera (FON ソーシャル ルータ) は、
無線LAN アクセス ポイントであるが、
中身は普通の Linux マシンなので、
いろんな用途に使うことができる。
一例として無線LAN 端末として使ってみる。
まずは ssh で La Fonera にログイン:
senri:/home/sengoku % ssh -l root 172.16.254.254 root@172.16.254.254's password: BusyBox v1.1.3 (2006.09.11-19:54+0000) Built-in shell (ash) Enter 'help' for a list of built-in commands. _______ _______ _______ | ____|| || _ | | ____|| - || | | | | | |_______||__| |__| |___| Fonera Firmware (Version 0.7.1 rev 1) ------------- * * Based on OpenWrt - http://openwrt.org * Powered by FON - http://www.fon.com --------------------------------------------------- root@OpenWrt:~# route -n Kernel IP routing table Destination Gateway Genmask Flags Metric Ref Use Iface 169.254.0.0 0.0.0.0 255.255.0.0 U 0 0 0 eth0 172.16.0.0 0.0.0.0 255.255.0.0 U 0 0 0 eth0
実験に先だってアクセスポイントとしての機能は殺してあるので、 ルーティング テーブルは至ってシンプル。 default route がないので、この時点では当然インターネットへはアクセスできない。
まず wlanconfig コマンドを使って無線LAN デバイスを端末モードで作成し、 続いて接続先アクセスポイント (もう一台の La Fonera ;-) の ESSID および WEP キー (もちろん伏せ字) を設定:
root@OpenWrt:~# wlanconfig ath0 create wlandev wifi0 wlanmode sta ath0 root@OpenWrt:~# iwconfig ath0 essid "MyPlace" root@OpenWrt:~# iwconfig ath0 key "6162636465666768696a6b6c6d" root@OpenWrt:~# ifconfig ath0 up
これだけでアクセスポイントへの接続が完了する。 iwconfig コマンドで確認してみる。
root@OpenWrt:~# iwconfig ath0
ath0 IEEE 802.11g ESSID:"MyPlace"
Mode:Managed Frequency:2.417 GHz Access Point: 00:18:84:10:XX:XX
Bit Rate:36 Mb/s Tx-Power:18 dBm Sensitivity=0/3
Retry:off RTS thr:off Fragment thr:off
Encryption key:6162-6364-6566-6768-696a-6b6c-6d Security mode:restricted
Power Management:off
Link Quality=53/98 Signal level=-42 dBm Noise level=-95 dBm
Rx invalid nwid:664 Rx invalid crypt:0 Rx invalid frag:0
Tx excessive retries:0 Invalid misc:0 Missed beacon:0
あとは 「ifconfig ath0 192.168.10.2」 などと手で IP アドレスを設定するか、 あるいは DHCP クライアントを実行すればよい。
root@OpenWrt:~# udhcpc -i ath0 info, udhcpc (v0.9.9-pre) started debug, Sending discover... debug, Sending select for 192.168.10.146... info, Lease of 192.168.10.146 obtained, lease time 43200 deleting routers adding router 192.168.10.1 adding dns 192.168.10.1 root@OpenWrt:~# route -n Kernel IP routing table Destination Gateway Genmask Flags Metric Ref Use Iface 192.168.10.0 0.0.0.0 255.255.255.0 U 0 0 0 ath0 169.254.0.0 0.0.0.0 255.255.0.0 U 0 0 0 eth0 172.16.0.0 0.0.0.0 255.255.0.0 U 0 0 0 eth0 0.0.0.0 192.168.10.1 0.0.0.0 UG 0 0 0 ath0
設定された default route 192.168.10.1 は NAT ルータなので、 これでインターネットへの接続が完了している。試しにアクセスしてみる:
root@OpenWrt:~# telnet mx.gcd.org 25 220 senri.gcd.org ESMTP help 214 qmail home page: http://pobox.com/~djb/qmail.html quit 221 senri.gcd.org Connection closed by foreign host. root@OpenWrt:~# wget http://www.klab.org/ Connecting to www.klab.org[211.13.209.203]:80 index.html 100% |*****************************| 11992 00:00 ETA root@OpenWrt:~# ls -la index.html -rw-r--r-- 1 root root 11992 Dec 22 05:27 index.html
La Fonera (FON ソーシャル ルータ) を2台購入した (正確に言うと1台は店頭で購入、もう1台は無料キャンペーンで入手)。
| 入手方法 | 店頭で購入 | 無料キャンペーン |
|---|---|---|
| Model | FON2100E | FON2100E |
| S/N | 8638001XXX | 8646022XXX |
| MACアドレス | 00:18:84:10:XX:XX | 00:18:84:16:XX:XX |
| ROMバージョン | 0.7.0 r3 | 0.7.0 r4 |
店頭で購入した物のほうが古いのは、まあ当たり前か。 新しい方のシリアル番号の下のほうの桁が 2万を超えているので、 現在は万単位で製造しているのだろう。 シリアル番号の上の方の桁、 および ROMバージョンが異なるのは、 製造ロットが違うから? もちろん両ルータともネットにつないでおくことにより、 現時点での最新バージョンである 0.7.1 r1 に自動アップデートした。
自動アップデートは、 cron から呼び出される /bin/thinclient プログラムによって行なわれる (/bin/thinclient は起動時にも呼び出される)。
root@OpenWrt:~# /bin/thinclient cron upgrade.fon 100% |*****************************| 61473 00:00 ETA This is a FON hotfix v2 archive Verified OK Upgrade name: upgrade_0711 Upgrading...
/bin/thinclient は、まず download.fon.com:1937 へ ssh 接続する。 ポート番号が変則的なのは、 間にファイアウォールがはさまっていないか確認するためか? なお、ssh は /etc/dropbear/key にある秘密鍵を用いて DSA 認証を行なう。 この秘密鍵は両ルータとも同じ内容だった。 /bin/thinclient は、次に この ssh セッションにおいて、 次の文字列を送信する。
mode='cron' wlmac='00:18:84:16:XX:XX' mac='00:18:84:16:XX:XX' fonrev='4' firmware='0.7.0'
ここで、「mode=」は /bin/thinclient の実行方法を示している。 cron から呼び出されたときは「mode='cron'」、 起動時に呼び出されたときは「mode='start'」。 「wlmac=」および「mac=」はそれぞれ、 無線(FON_AP)側の MAC アドレスと、 有線(WAN)側の MAC アドレス。 後者の MAC アドレスに 1 加えた値が前者のアドレスになっているようだ (ちなみにプライベート アクセス ポイント(MyPlace)側の MAC アドレスは、 さらに 1 を加えた値)。 「firmware=」および「fonrev=」はバージョンおよびリビジョン番号を示す。 つまり、個体識別ID を FON に送信しているものと考えられる。
すると、download.fon.com:1937 から、 以下のような sh スクリプトが返ってくる。
cd /tmp wget http://download.fon.com/firmware/update/0.7.0/4/upgrade.fon /bin/fonverify /etc/public_fon_rsa_key.der /tmp/upgrade.fon rm -f /tmp/.thinclient.sh exit
/bin/thinclient は、 この送られてきた sh スクリプトを /tmp/.thinclient.sh に保存した上で実行する。 つまり、 この例の場合だと、「upgrade.fon」をダウンロードして 「/bin/fonverify」に与える。 おそらく upgrade.fon がアップデートのための差分データで、 「/bin/fonverify」が、このデータを認証した上で展開しているのだろう。
アップデートの必要がないときは、 以下のような何もしない sh スクリプトが返ってくる。
rm -f /tmp/.thinclient.sh exit
0.7.0 r4 と 0.7.1 r1 の差分をとってみた。
新規に追加されたファイル:
/etc/config/ntpservers /etc/config/openports /etc/config/webif /etc/init.d/N45ntpclient
ntpclient を使って時刻あわせするようになったようだ。 アップデート前するは起動時に「2000年1月1日 9:00 JST」にセットされていた。 これでは起動時からの経過時間しかわからないので、 ntpclient を使うように変更したのだろう。
変更されたファイル:
--- /rom/etc/banner 2006-09-13 02:41:30.000000000 +0900
+++ /jffs/etc/banner 2006-11-22 04:07:20.000000000 +0900
@@ -4,7 +4,7 @@
| | |_______||__| |__|
|___|
- Fonera Firmware (Version 0.7.0 rev 4) -------------
+ Fonera Firmware (Version 0.7.1 rev 1) -------------
*
* Based on OpenWrt - http://openwrt.org
* Powered by FON - http://www.fon.com
--- /rom/etc/fon_revision 2006-09-12 06:43:42.000000000 +0900
+++ /jffs/etc/fon_revision 2006-11-16 05:08:40.000000000 +0900
@@ -1 +1 @@
-4
+1
--- /rom/etc/fon_version 2006-09-12 04:32:01.000000000 +0900
+++ /jffs/etc/fon_version 2006-11-16 05:08:40.000000000 +0900
@@ -1 +1 @@
-0.7.0
+0.7.1
--- /rom/etc/functions.sh 2006-09-12 04:32:01.000000000 +0900
+++ /jffs/etc/functions.sh 2006-11-15 02:44:26.000000000 +0900
@@ -112,3 +112,18 @@
esac
}
+#
+# This functions forwards a port. The next args are required:
+# $1 = WAN interface
+# $2 = Origin Port
+# $3 = Destination IP
+# $4 = Destination Port
+# $5 = protocol used
+#
+# Example: open_port $WAN 8080 192.168.1.2 80 tcp
+#
+open_port() {
+ iptables -t nat -A prerouting_rule -i $1 -p $5 --dport $2 -j DNAT --to-destination $3:$4
+ pdots=`echo $4 | sed 's/-/:/g'`
+ iptables -A forwarding_rule -i $1 -p $5 --dport $pdots -d $3 -j ACCEPT
+}
--- /rom/etc/hotfix 2006-09-12 04:32:01.000000000 +0900
+++ /jffs/etc/hotfix 2000-01-01 09:35:00.000000000 +0900
@@ -0,0 +1 @@
+upgrade_0711
--- /rom/etc/init.d/S45firewall 2006-09-12 04:56:53.000000000 +0900
+++ /jffs/etc/init.d/S45firewall 2006-11-17 22:12:29.000000000 +0900
@@ -105,3 +105,7 @@
}
# check if the connection is already up and add WAN_HOOK rules automatically
env -i ACTION=ifup INTERFACE=wan /bin/sh /etc/hotplug.d/iface/20-firewall
+#
+# Forwarded ports
+#
+/etc/config/openports $WAN
--- /rom/etc/sysctl.conf 2006-09-12 04:32:01.000000000 +0900
+++ /jffs/etc/sysctl.conf 2006-11-08 03:04:39.000000000 +0900
@@ -6,3 +6,4 @@
net.ipv4.tcp_keepalive_time=120
net.ipv4.tcp_timestamps=0
net.ipv4.tcp_vegas_cong_avoid=1
+net.ipv4.ip_local_port_range=4096 8192
このあたりはわずかな修正だが...
--- /rom/etc/init.d/rcS 2006-09-12 22:16:13.000000000 +0900 +++ /jffs/etc/init.d/rcS 2006-11-15 02:44:26.000000000 +0900 @@ -21,13 +21,24 @@ done while :; do + lock -w /var/run/restart-services + + # just in case + lock -u /var/run/network-connection + killall lock + + # grab the locks again lock /var/run/restart-services + lock /var/run/network-connection + killall N50chillispot killall chilli killall dnsmasq ifup lan_noinet ifup wan /etc/init.d/S45firewall + + lock -w /var/run/network-connection for i in /etc/init.d/N*; do $i start 2>&1 done
これは、起動時に問題が起きることがあることへの対策か?
そして、0.7.1 へのアップデートで一番の目玉が、 /usr/lib/webif 以下の変更、 すなわち設定 Web インターフェースの多言語対応なのだろう。 /usr/lib/webif/lang ディレクトリが追加され、 /usr/lib/webif/lang/jp/fon.txt などのファイルに、 ローカライズのための文字列置換表が追加された。 /etc/config/webif に現在選択している言語が設定される。
日本語で設定できるようになったのはいいことだと思うが、 0.7.1 r1 にアップデートしてから、 FON Maps で濃いグリーンで表示されなくなったような気がする... アップデート前は FON_AP 登録位置に濃いグリーンの円が表示されていたのだが、 アップデート直後から薄いグリーン(直近で非アクティブ)の円で 表示されるようになってしまった。 前述したようにバージョン番号は thinclient で FON へ送信されるが、 0.7.1 r1 だと電波を出しているとは認識してもらえなくなってしまったのか? (thinclient の実行頻度を高めてみても、淡い緑のまま...)
もう一点、気づいた不具合として、 設定 Web インタフェースにて WAN 以外の設定を行なわずに何らかの設定を行なうと、 WAN が使えなくなってしまう、という問題がある。 すなわち、/etc/config/fon において
config network wan option mode ''
などとなってしまう。 これだと WAN (つまり有線インタフェース) に IP アドレスが設定されない。 つまり有線もパブリック アクセス ポイント「FON_AP」も使えなくなってしまう。 エイリアス「eth0:1」には常に 169.254.255.1 が設定されるので、 大事には至らないのだが...
eth0:1 Link encap:Ethernet HWaddr 00:18:84:16:XX:XX
inet addr:169.254.255.1 Bcast:169.254.255.255 Mask:255.255.0.0
UP BROADCAST RUNNING PROMISC MULTICAST MTU:1500 Metric:1
Interrupt:4 Base address:0x1000
このような状態になってしまったときは、 この 169.254.255.1 へアクセスするか、 プライベート アクセス ポイント「MyPlace」へアクセスして、 設定 Web インタフェースにて WAN の設定を行なえばよい。 例えば「DHCP」を設定すると、 /etc/config/fon の該当箇所が
config network wan option mode 'dhcp' option ipaddr ''
となるので、「/sbin/ifup wan」を実行するか、 あるいは再起動すれば DHCP で取得した IP アドレスが WAN に設定される。
「成功している中小企業が持つ5つの要素」から引用:
「Five Secrets of High Performing Organizations」という報告書(PDF)が 公開されていました。 この報告書はアメリカで10〜100人規模の企業300社以上を調査して、 成功している企業が持つ要素を5つにまとめています。 さらに、それぞれの要素を実現するためにはどのような努力をすれば良いかを 解説してありました。
...
4. 戦略的に技術を利用する
本当は何が必要かをわかるまでは課題に対して利用する技術を特定してはいけません。 成功している中小企業は、技術を使う事が目的ではなく、 戦略を達成するために技術を利用する事を知っています。 また、一度使うと決めた技術に対する調査も徹底して行われます。 調査には、技術そのものに対してだけではなく、 効果を最大化するためのトレーニングも含まれます。
誠にごもっとも。 目的は課題を解決することであって、技術はその手段に過ぎない。 いま自社にある技術を中心に考えてしまうと、 それに引きずられ課題を見失うことになりかねない。 だから技術のことはいったん忘れて何が目的なのかしっかり考えなければならない。 目標が明確になった時、 自社が現有する技術と必要な技術との間に乖離があれば、 自社の技術者たちはスキルシフトか職探しを求められる。
合理主義を貫こうとする限り、 この考え方には反駁の余地がない。 技術者が経営方針に振り回され続け、 その結果スキルを充分に伸ばせなかったとしても、 会社は技術者養成機関ではないのだからその責は負わない、 という考え方は首尾一貫している。
問題は、会社が合理主義を貫こうとしている現代においても、 技術者の側が合理主義を貫ききれていないことにある。 「成功している中小企業が持つ5つの要素」の 技術者版「成功している技術者が持つ5つの要素」が必要であろう。
4. 戦略的に会社を利用する
本当は何が必要かわかるまでは 自身の技術 (あるいはこれから身につけようとする技術) に対して 利用する会社を特定してはいけません。 成功している技術者は、 会社に貢献することが目的ではなく、 自らのスキルを向上させるために会社を利用することを知っています。 また、一度入社すると決めた会社に対する調査も徹底して行ないます。 調査には、会社そのものに対してだけでなく、 効果を最大化するための会社の制度および風土なども含まれます。 経営者の技術に対する考え方や、 昇給・昇格などの人事制度や、 どのような人物が自分の上司になるか、 あるいは互いに切磋琢磨できるような同僚がいるかどうかは、 自らのスキルをどれだけ伸ばすことができるかに大きな影響を与えるからです。
経営者にとっては、事業の遂行が目的であって技術はその手段に過ぎない。
技術者にとっては、自らの技術スキルの向上が目的であって
事業はその手段に過ぎない。
スキル向上に役立たなくなった仕事はどんどん捨てるべきである。 なぜなら技術スキルこそが、技術者にとって最大の資産であるからだ。 目先のキャッシュフロー (若いときの給料) にとらわれることなく、 将来のキャッシュフローを生み出すストックをどうやって積み重ねていくかを第一に考えて欲しい。
IPA (情報処理推進機構) のかたとお話しした。 優秀なソフトウェア技術者の成果をビジネスにつなげるための支援をするには、 どうしたらいいかヒアリングしたいとのこと。
ああ、この人もソフトウェアをモノと誤解している人なんだ。
ソフトウェア以外の分野、 たとえばバイオや新素材などでは 優れた発明・発見がビジネスに直結する。 真に有効なモノ (例えば新薬や新素材) の真に有効な製造方法が発明されれば、 あとは製造工場を建設するのに必要なカネがあればよい。 だから、資金援助を行なうことが即、その産業の振興につながる。
しかしながらソフトウェアはモノではない。 ソフトウェアには特殊な製造方法などなにもない。 あるソフトウェアを作るのに特殊な「知的財産」が必要、 などということはないのである。
確かに、ソフトウェアの分野にも一応「発明」と称するのものがあるが、 その「発明」が公開されなければ製造できないソフトウェアが果たしてあるだろうか? 「ソフトウェア特許」を認めるべきか否かについては様々な議論があるが、 ソフトウェアを他の分野と同列に扱うことはできない、 ということだけは確かであろう。
では、ソフトウェア産業の振興には何が必要なのか? なぜ日本のソフトウェア業界には (例えば Google のような) 破壊的なイノベーションが生まれないのか?
簡単である、ソフトウェアを作る優秀な技術者が足らないからである。 だから振興策も簡単で、 技術者をビジネスの現場に引き合わせればよい。
と言ったら、IPA でも 未踏ソフトウェア創造事業で発掘した人材を、 ソフトウェアの販売会社と引き合わせている、 という答が返ってきた。
そんなことを言っているのではない!
未踏事業で開発したソフトウェアを販売会社に紹介すれば、 確かに興味を持つ会社は出てくるだろう。 実際に販売してくれるところも出てくるかも知れない。 でもそんなことをして高々数千本ソフトウェアを売ったところで何になる? せいぜい (すごくうまくいったとしても) 数憶円の売上にしかならないだろうし、 数千本といえど売れば開発者はサポートに忙殺されてしまう。 せっかく発掘した貴重な人材の使い道としては、 あまりにモッタイナイ使い方ではないか。
優秀な技術者をソフトウェア販売会社に引き合わせたって意味はない。
優秀な技術者を「ビジネスの現場」に引き合わせなければならない。
つまり、優秀な技術者がその能力を存分に発揮し、
その能力に見合う報酬を喜んで支払う「事業家」に引き合わせなければならない。
日本のソフトウェア産業がアメリカに負けっぱなしなのは、 優秀な技術者が日本にいないからだろうか?
否!!
優秀な技術者と、優秀な事業家が、出会っていないだけである。 日本にも、勢いのある IT ベンチャーは数多い。 ところがそうしたベンチャーに入社しようと思う優秀な技術者がどれだけいるのか? ほとんど全ての IT ベンチャーは優秀な技術者を渇望している。 その一方で、大企業の研究所には優秀な技術者がゴロゴロしている。 私は日立製作所の研究所に 8年間勤めたので痛感しているのだが、 私よりよっぽど優秀な人が、特に活躍するわけでもなくゴロゴロしている。 つまり凡人でもできるような仕事をして、 凡人と同レベルの給料をもらって満足しているのである。
もちろんお金が全てではないし、 優秀な人はすべからくその能力をフルに発揮して活躍しなければならない、 というものでもない。 自らの能力を披露することなく静かに暮すのも一つの生き方であろう。
しかし、優秀な技術者の大半が、大企業の奥底で眠っているのだとしたら...?
そして日本のソフトウェア産業を振興させたいと思うのなら...?
それなら有効な振興策は一つしかない。
唯一にして最も効果的な究極の振興策、それは...
大企業の一つをつぶして、死蔵していた優秀な人材を放出させることである。